ここ最近世間を賑わせているニュースについて自分の家族のことを思い出してしまい、恨みに似た感情が溢れ出してきて辛い

 

母親は宗教ではなく、奇跡商法にハマっていた部類で、家のありとあらゆるところにシール、シール、シール、私の赤色のランドセルにも目立つ黄色のシールを貼られていた。あとは身に付けてるアクセサリーが宇宙のパワー(笑)をこめた玉とか、その玉のでかいやつで擬似的な祭壇のようなものがあった。寝る前は宇宙のパワー(笑)が吹き込まれたカセットテープを聞いて眠りについた。あとは年に二回家族旅行でその団体が運営する旅館に泊まったり、公演があれば宇宙のパワー(笑)をもらえるようにと、各地に赴いていた。

 

母がいつからそれに傾倒するようになっていったのかは知らない。少なくとも私が生まれる前からだったと思う。

 

私がその奇跡商法に嫌悪感を抱きはじめたのは、小学校高学年だ。母は私を宇宙のパワー(笑)に守られているから、いつでも元気で勉強もできる良い子であるといっていた。先生のおかげだと、でもさ〜これ子供に言うのきつくない?どれだけ自分で頑張っても宇宙のパワー(笑)のおかげで〜が入ってくる。筆箱にシール、消しゴムの下にシール、運動会の日には靴の中にシールをはった運動靴、体調を崩せばカセットテープで宇宙のパワー(笑)音源を聞かされるだけで、病院に連れて行ってくれることなどなかった。

私は宇宙のパワー(笑)があっても、テストで悪い点数とることもあったし、たいして運動神経も良くなかったし、音源で腹痛が治ることもなかった。あれこれおかしいな?と思ってパソコンで調べた。その後、私は家中に貼ってあったシールを全部剥がして、色んなところにお守りのように待たされていた新聞の切り抜きを破いた。母は泣き叫んだ。何を言ってもヒステリーを起こし、母の口から出る言葉は、「なんでそんなことを言うの」もしくは「私が悪いの」だった。どちらも私と会話する目的で発言されたものではなかった。思春期にはいり、全てにむかついていたので私は会話することも、これがおかしいことだと説得することも諦めた。あの人が何をしようが、何を信じようがそれは、母のB面であり、普通の時のA面のお母さんは好きだったので、私の生活に侵入してこなければどうでもよかった。B面の母の地雷を踏まないように、私の生活圏外にあるシールや祭壇は見ないようにして普通に過ごしていた。

 

それから少し経って母は職場の人間関係が悪化し、鬱病になった。入院することになった時は、元々の生命に関わりのない持病が悪化したと聞かされていたので、あの人が家にいなくてラッキーとしか思わなかった。

後々鬱病だったことを知って、その時ほらね、宇宙のパワー(笑)ないじゃん。目を覚ましてよと思ってた。でも母は何も変わらなかった。退院して仕事を辞めて、母が次にハマったのは「引き寄せの法則」と耳障りのいい言葉を並べた「マルチ商法」だった。私が生まれてからずっと母は見えない何かを盲信的に信じている。もういくらお金が消えたのだろう、両親はどちらとももう年金暮らしだ。でも帰省するたびに、庭に並べてある一本一万円以上するジュースの空き容器は増えていく。(庭に置くのやめてほしい)健康用品、化粧品で家は溢れかえっていく。マルチ商法だと言っても聞く耳を持たない。なんでなんだろう。母は誰よりも「選ばれた人」でありたいのだと思う。ノートに1000000回私は幸せと書けば、選ばれた幸せな人間であってサイコーハッピーで死ねるんだと思う。何か信じるものや、肯定してくれるものがないとダメなのである。家族が無理やり取り上げても鬱病まっしぐらコースなのは目に見えてる。じゃあB面に触らなければいいんだ。自分のお金だしね。好きにしてよ。介護するつもりないので老人ホームに入れるくらいは残しておいて欲しいんだけど無理かな。

 

A面のお母さんは好きだけど、B面の母のせいで同級生にそのシール変なのって言われたことも、家族旅行がそこしかなかったことも、生理痛で立てないほど痛くてもなんもせず薬すら飲ませなかったことも、(後々自分1人で行った婦人科で病気が発覚した)お金ないからって新しい服は買ってもらえなかったことも、専門学校行くの諦めたことも今でもしっかり恨んでるよ。宇宙のパワー(笑)、健康食品や化粧品に費やしたお金はいくらだったんだろうね。

資格取得のために勉強を頑張っているけど、何をしてるんだろうと言う気持ちにならなくもない。

 

全部したくない、なげだしたい、けど捨てられない

 

最近はヨルドジャにはまって可愛いを過剰摂取してる

 

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